2014年7月24日木曜日

どのようにすれば会社で女性に活躍してもらうか?

内閣で「女性枠」が設定され、それが「逆差別」だと不満が出ているというニュースを見ました。安倍内閣は正しいことをやっているというのが結論です。

私は10年くらい前、前職の経営戦略コンサルサービスを行う部署の責任者になったとき、全体150名で女性が2人という組織でした。女性は2割程度入りますが、2-3年でみんなやめてしまっていました。その時は全体の離職率でも30-40%(1年間のうちに100人のうち30人-40人辞める)という大変な状態になっていました

私はその時に「女性を増やす」というのが組織変革の大きな切り口になると思いました。
なぜかといいますと、
退職者の多い一つの原因は長時間労働です。その根本原因はコンサルタントに「創造性」が不足していること。その結果、価値ある・面白い提案ができず、「優秀賞」でなく、「努力賞」でお客さんに我慢してもらうようになっています。すると、そこには長時間労働地獄が待っています。
女性は男性に比べて多面的に物事を見るので、感性に基づく仮説が面白い場合が多いと感じていました。ですので、創造性の向上・長時間労働の課題解決のために必要だとおもったことです

2つめは、組織内に不信感が蔓延していたこと。ここで、私が行ったことは、我々の最も大切な価値観としてクライアント・社内に「愛」を持つこと。あと、女性はいつでも楽しむという発想があるので、女性がいると場が和む。それが証拠にプロジェクトに女性に入ってもらうと、雰囲気が上がり、プロジェクトルームもきれいになります。(個人差もありますが。)

女性を増やすにどうすればいいか?よくわからず、ちょうとその時、グローバルのアクセンチュアの社外取締役にJPMorganの女性CFOがいたので、アメリカまで行って、秘訣を聞いてきました。答えは「徹底的なAffirmative Actionをとれ!」ということでした。

女性のパートナーの比率、マネジャーの比率を、新卒の女性比率の目標を設定し、「枠」として厳守しました。パートナー仲間の6割程度は反対でした。実力主義でないということで。。。
ただ、それへの論拠として2つ準備しました。
1つは、構造的な問題。 その時点で男性しかいないので、女性は男性の価値観で評価される。そのため、女性の本当の良さがわからず、結果、低い評価となってしまうこと。
2つめは、実証すること。私は男性が「できない」と言っている女性だけでプロジェクトを編成してみました。クライアントからは絶賛されました。私はプロジェクト成果をパートナーミーティングでシェアし、素晴らしさを説明しました。

昇進の問題は上記で解決できたのですが、当時、せっかく増加した女性のほとんどの評価がボトムにいるので、女性は自信喪失していました。まず、評価基準を変えたのですが、あまり目に見えた効果がありませんでした。そこで、「男女別評価」を採用しました。これは男だけで相対評価、女性だけで相対評価。ですから、分布は男女同じになります。 これは世界でも例がなく、社内でも猛烈な反対に会いました。 
1年だけ男女別評価をやりました。 2年目はそうしなくても、男女の評価分布の差がほとんどなくなりました。 評価基準の変更と男女別評価を同時にやったことがよかったのだろうなと思います。男女別評価で無理やり女性の良さを納得しなくてはいけない。それにより、評価基準を真剣に理解するようになったという好循環が出たのだと思います。

日本は韓国と同様、女性の活躍度が低い。ぜひ大胆な金融緩和に続き、大胆なAffirmative Actionをとってほしい。 安倍さんって組織の動かし方がわかっているので、すごいと思います。ただ、原発再稼働とか集団的自衛権とかそれだけに、うまく通してしまうのが危険を感じますが。。。



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