2014年9月23日火曜日

ファースト・ワン・マイル

ハーバードビジネスレビューの記事を見ているとFirst One Mileという言葉があった。

通信回線の最後、家庭までの距離をLast one mileというが、これは最後がとても大変であり、最後がないと今までの苦労が無になってしまいます。
新事業の場合はFirst One Mileがとても大変だという意味だろう。初めに1件でも、1円でも仕事をとることが難しい。そのために並々ならぬ実行力が必要になります。First One Mileでスケールアップ可能なビジネスにできることをチェックしておく必要があります。

私の新規事業として、全く門外漢の2事業を始めました。
1つはウェブデザイン・制作・保守の事業ですが、会社の経営資源をここに集中したことで、これは何とかFirst one mileは達成できたと思います。我々の品質対投資がクライアントに認められ、継続が増えたり案件が大型化したことでサステナブルグロースの軌道にのったように見えます。 一方、案件の大型化や顧客数の増加に伴い、品質の問題が初めて1件出ました。
これはもともともクライアントのソースコードに由来するものではありますが、それをプロジェクト開始すぐに見抜き、クライアントに報告しなかったことなどこちらの問題点も多いです。また、契約書の問題も浮かび上がり、まだまだ整備すべきことが見えてきました。
案件の大型化に伴い、しっかりしたSEの方を社員としてお迎えすることになり、デリバリー力を強化しました。

2つめは賃貸コンシェルジュハウス(CCH)ですが、低位安定が続き、まだまだFirst One Mileの真っ只中です。全ての取引を「ものや機能の取引」から「人との絆」の取引に変えようと高い目標をもってサイト運営をしています。一旦、会員登録してくれたら、成約率が非常に高いので、会員の満足度は高いと推定できます。
しかし、会員になるまでの魅力・価値訴求があまりに弱いのでしょう。色々とテクニカルな改善策を打ってきたのですが、効果がありません。本質的なことに手をつけないとどうしようもないと判断しました。顧客ターゲットもあいまいであり、顧客価値も実際の人気コンシェルジュを見ると「イケメン、美女」なので、提供価値も十分発揮できていないということだと思います。
それなりに売り上げがあるのに、なぜFirst One Mileに達していないかというと、サステナブルでないからです。 1成約に必要な集客等のコストが5万円かかるのに対し、得られる収益はいろいろ集めて3万円程度なので、広告宣伝投資をして会員を増やしても損が積み増される構造になっているからです。

「部屋生活」というメディアを立ち上げて、賃貸コンシェルジュハウスへの流入を狙っています。部屋生活の記事は私がみてもとても面白いものに仕上がっていて、集客力がついてきています。ただ、なかなか、CCHへの流入がうまくいきません。
思い切った顧客セグメントの絞り込み、このサイトにしかないサービスの提供、ターゲットに住んでほしい「お得物件」情報の提供、コンシェルジュのプロフィールを充実してお客さんに選んでもらいやすくすることを考えています。 はやくFirst One Mileを抜け出したいです。

来年初めに、2つの事業を立ち上げようと思っています。 それらは賃貸コンシェルジュハウスの顧客セグメントと同一であり、大きくシナジーが発揮できるものだと思っています。 来年は3つの事業のFIrst one mileのクリアで忙しくなってきました。





2014年9月20日土曜日

株高でも資産は増えない

アベノミクスで110円に近い円安になり、株価が16000円を越えました。

喜ぶべきでしょうか?

もっとも流通量の多い通貨のドルで資産の変化を考えてみると喜んでいられません。

この現象は、ちょうざっくりいうと、この1か月で10%弱円が安くなり、株価が10%強上がった。株価はドルベースでみるとほとんど変化がありません。

日本円の資産は10%下落していますので、ドルベースでいえば、たとえ富裕層であっても、株や土地でトントン、円で持っている定期預金、国債やキャッシュは10%減っていることになります。

庶民層はほぼすべての資産を円の定期預金などで持っているでしょうから、10%程度貧しくなったことになります。

企業もドルでみると、売り上げはほとんど変わっていないが、円安により日本でのコスト(人件費などの)が安くなるため、利益がでていることになります。 まずは、労働者のしわ寄せ分だけ利益が出ているように見えるだけです。

短期的には庶民層は大打撃、富裕層は少し打撃を受けた人、ちょっと儲かった人がいる感じだと思います。


いいこともあります

よく言われるように、円の価値が下がれば、莫大な借金の価値が減ります。1000兆円の借金が10%減価したわけですから、この1か月の円安で100兆円分の借金が減ったことになります。

個人でも円で借金をしている人は借金が減っています。

円安≒インフレ期待があれば借金をしなきゃ損みたいな感覚になり、消費も投資も活発化します。何を買おうかなとかどこに投資しようかなとか考えるようになるのでお金の流れが活発化する可能性を提供します。
現在の消費行動をみていると、財布のひもは緩めないので消費が貧しくなるだけですが。。。

ただ、このようにリスキーだけど、焦らせないと景気が動かないのは確かです。
カオスの淵というのがありますが、いい方、悪い方にどちらでもいく可能性があるという状況だと思います。


いい消費、いい投資、いい仕事を人々が選択するか、政府がいい公共投資や補助金を使えば、いい方向に転がる可能性が見えているように思います。 反対方向にいかないように、焦らずに、然りと見極めお金を使うことを気を付けたいなと思います。

2014年9月15日月曜日

マクドナルドの業績悪化に思う

マクドナルドの業績悪化が止まらない。

中国の鶏肉問題の影響といわれているが本当にそうだろうか?
本当はマクドナルドの動物や植物に対する取扱い、おいいしいが体に悪い調味料、保存料など、彼らの美しいビジョンとは異なった、ビジネスのやり方に対し、消費者がNoを突き付けているように思う。

一方、モスバーガーは業績が好調だ。 原価率が高いし、調理も非効率な部分があるのであまり利益率は高くないが、がんばっている。

投資家の視点からみると、マクドナルドは原価率も低く、グローバルに調達しているし、業務も標準化・機械化できているので、(消費者に受け入れられれば)潜在成長力が高い。一方、モスバーガーは原材料や人件費の影響を受けやすいし、調達先も厳選しているので、成長力が弱いように思える。 今はどちらがいいかわからない。

しかし、いよいよ本格的に先進国の人たちの価値観が変わりつつあるなと最近特に感じている。
環境負荷と価格・利便性の価値の置き方が逆転しつつあるように思う。

そろそろ環境負荷の高い企業はビジネスモデルを変えるべきだろう。ただし、たとえ、マクドナルドであっても、現状の効率的オペレーションを生かしていけば、他社よりずっと有利に勝負できるだろうに、もったいない。